根っこが知りたい

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今の「人手不足」は本当の「人手不足」なのでしょうか?

不思議ではないでしょうか?

少子化などで「人手不足」になっていくとしても、その一方で、効率化によって仕事はなくなっていくはずです。なぜこれほどまでに一方的な「人手不足」になっているのでしょう?

今の「人手不足」は本当の「人手不足」なのでしょうか?

現在、多くの商品(モノやサービス)が “供給過多” になっています。これは、その商品を生産している業界全体が、需要を十分にまかなってあまりある供給能力を持っている、ということだと思います。

このような供給過多の業界、例えば飲食業界の、ある会社のアルバイトが、人手不足だったとします。

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もし、この会社が潰れたらどうなるでしょう?

この業界は供給過多なので、この会社がまかなっていた需要は他社でまかなえると思います。そして、この会社で働いていた人たちは失業します。

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これは、人手が不足しているのでしょうか? それともあまっているのでしょうか?

実は、供給過多の業界でおきている人手不足は、必ずしも本当の人手不足ではないのではないでしょうか。それぞれの会社から見れば人手不足でも、業界全体で見ると必ずしもそうではないのではないかと思います。

現在は「人手不足」と「人手あまり」がないまぜの状態ではないでしょうか

「失われた20年(もしかするともう30年に近い)」などといわれる長期の不況のなかでおきてきたことは、供給過多が、その度合いを弱めることなくさまざまな業界に広がっていった、ということではないかと思います。

誤解を恐れずに言えば、需要以上の商品を生産している人手は「過剰な人手」です。つまり、この20年ほどを振り返ると、供給過多の業界は潜在的な「人手あまり」の状態だったのだと思います。この「過剰な人手」の人たちは、場合によって、過度な労働や低い賃金を強いられることになります。

ところが、最近になって「人手不足」になり始めました。

現在の供給過多の業界の多くは「過剰な商品を生産するための人手が足りない」状態になっているのではないでしょうか?

これは、「潜在的な人手あまり」でありながら同時に「人手不足」になっている不思議な状態です。結局、供給過多による価格競争は収まることなく、「人手不足」でありながら賃金が上がらない、という状態になっているのではないでしょうか。

もちろん、業種によって、また地方においては供給不足がおきているところがあります。この場合は本当の人手不足なのだと思います。いずれにしろ、こういった場合も含めて、現在は「人手不足」と「人手あまり」がないまぜの状態なのだと思います。

この先さらに人手が不足していくという予測もあります。これが問題なのは間違いないのですが、「足りないから外国から人を呼べばいい」という意見に対しては、なにか矛盾のようなものを感じてしまいます。それは、こういった理由からなのですが、ほかの方はどうお感じになるでしょう?


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